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幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

魔女達の舞踏会6

そして迎える朝
「あ…れ?いつもだったら魔理沙が起こしに来るのにな。今日はどうしたんだろ」
現在の時間は朝の10時 昼に近い時間帯だった
昇が居間へと行くと魔理沙はまだソファで眠っていた
「あらら、まだ寝てるのか。起こしてやるか…」と思い魔理沙の肩に手を伸ばした…が、手を引っ込めた
「やっぱりやめとくか…」と呟くとカップメンを取り出し、食べた
食べているときにも魔理沙の目が覚めることがなかった
(それにしても…寝顔ってかわいいなぁ~)と心の中で思った
(まぁ寝顔じゃなくてもかわいいんだけどね)昇は魔理沙を見つめながら言った
「さてと…早速練習するか」と言うと外へと出かけていった
一番最初に練習していたナイフのような簡単なものを発生させてみようとした
すると、思うようにナイフが出てくる
(まぁ箒に乗れたんだから気を集中させるのは結構簡単に感じられるな
次に刀を想像した
目を瞑り、心の中に思い浮かんだのは魔理沙が自分の魔法を見て笑顔になる姿だった
そしてその思いを形に変える
すると日本刀のようなものが宙に浮かび上がる
(これを振りかざす感じで…)
日本刀の動きと同じように手を動かしてみる するとその動きに応じて素直に動いた
「よし!思ったようにできたぞ。次は魔導書に載ってたやつやってみるか」と募る期待を隠せない昇だった
「確か、すごく大きくて強そうで…」大太刀のイメージをだんだん強めていく
「鋭い刃を持っていて、それでもって光り輝いていて…」さらに大太刀のイメージを頭に思い浮かべていった…
その頃、魔理沙は魔法の気配を感じ取り、目を覚ました
「なんだ、大きな魔法の気配を感じる…」と呟くと窓を通して外を見る
すると昇が剣をイメージしている最中だった
そして、大きな太刀が出てきた
青白く光り、いかにも鋭そうな刃、そしてなかなかの大きさを誇っていた
「あれって…A級魔法だよな…」すると頭の中を何かがよぎった
「まずい!!あんなレベルでそんな上級魔法使ったら!!」とドアを蹴飛ばして外に出た
「あ、魔理沙。見てみて!俺こんな魔法使え…」
「早くそこから離れろ!!」 「え?なんで…」
(だめだ、説明してる暇なんてない!!)
昇の出現させた大太刀が小刻みに揺れている (やばい!!)
「テレポート」と短く呟くと昇の横に突如姿を現す魔理沙
そして昇を思いっきり突き飛ばした 「なっ!?」何が起きたかわからず戸惑う昇
次の瞬間、青白い大太刀は目にもとまらぬ速さで地へと落ちた 魔理沙の腕と共に
「おっとまずい、止血、止血っと…」魔法により地の流失を防ぐ
そんな片腕を失った魔理沙の姿を見て昇は恐怖がこみ上げてくる
「あ…あぁ・・・魔、魔理沙のう…腕が…」
恐怖心と、自分のせいで魔理沙が腕を切り落とされたと思う気持ちとが混ざり合い、涙となって出てきた
「ほら、泣くんじゃない。魔法でどうにだってなるさ」と優しい声で語りかける魔理沙
「でも…でも!!」顔が涙で溢れていた
すると魔理沙は片方の腕で昇を抱いた
「腕なんて気にするんじゃない。それより…お前は基本的な魔法も攻撃的な魔法もたった数日で憶えることができた。それを誇りに思え」
「魔理沙…」
「お前は私の弟子第1号だ。さすが私の選んだ弟子だ、魔法を覚えるのが速い。だから泣くな。お前は強いんだから」
「うん…」と胸の中で泣く昇
「強くなったな、昇。おめでとう、お前はもう立派な魔法使いだ。胸を張れ、昇」
「うん…」ただただ昇はうんと答えるだけだった
「ただお前は魔法についてそこまで詳しくなかったからこうなっただけだ。私がちゃんと見てなかったから悪かった。すまんかったな」と謝る魔理沙
「いや…魔理沙が悪いわけじゃないよ。僕だって魔理沙がいるときにやるべきだった」
「じゃあお互い様だな」 「そうだね」と二人は顔を見合わせ、笑った
「そうだ昇、ちょっとその腕私の切れた部分にくっつけてくれないか?治したいから」
「あ、うん」とまだ涙が乾ききっていない顔をしている昇は落ちた腕を拾い上げ、魔理沙の切れた部分にくっつけた
「離すんじゃないぞ?変な形でついちまうから」と言うと魔法を使っていとも簡単に治した
「まぁ私の手にかかればこんなもんだぜ」と笑って見せる魔理沙
「そうだ、ご褒美をやろうじゃないか。ほら昇、目瞑れ」といわれたので素直に目を瞑る昇
すると唇に何かの感触があった
(え?なにこれ。なんか柔らかいし暖か…え!?)思考の全てが止まり、目を開ける昇
目の前に広がっていたのは目を閉じ、唇を合わせる魔理沙がいた
「ん!?」と唇を離し、驚きと恥ずかしさを隠しきれない昇
「な、なにしてんの!?」 「なにしてんのって…褒美のキス」と何かおかしいことをしたのかとでも言いたいような顔をしている魔理沙
「いや、恥ずかしいだろ」 「誰もいないのに恥ずかしいのか?それに昇は嬉しくなかったのか?」と尋ねる魔理沙
「う、嫌では…無かったけど」 「まったく回りくどい言い方しなくてもいいんだぜ?」と笑ってみせた
「そうだ、腹減っただろう?今日も飯作ってやるから今日はもうやめておけ」
「うん、わかった」と返事をすると魔理沙はにっこり笑って家へと戻っていった


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